「会社案内を作りたいけれど、何を載せればいいのか分からない」
「テンプレートを使えば、自社でも作れるのだろうか」
会社案内の作り方を調べると、掲載項目やデザインのコツはたくさん出てきます。
しかし、私が会社案内づくりで一番大切だと考えているのは、その前の段階です。
まず考えたいのは、「何を載せるか」ではなく、「そもそも、なぜ会社案内を作るのか?」ということ。
目的と相手が決まれば、載せる内容も、使う言葉も、デザインも自然と決まってきます。
そこでこの記事では以下の内容をまとめました。
- 会社案内の作り方で最初に整理したい目的とターゲット
- 営業・採用・取引先向けの会社案内に載せる内容と基本構成
- 会社案内パンフレットを作る6つの手順とデザインのコツ
- PowerPointなどのテンプレートやAIを使った会社案内の作り方
- 制作前の対話から、自社の強みや伝えるべき価値を見つけた実例
「会社案内を作りたいけれど、まだ何を伝えればいいのか整理できていない」という方も大丈夫です。
むしろ、その段階から整理することが、伝わる会社案内づくりのスタートだと私は考えています。
会社案内を作る前の整理から相談したい方は、日高印刷所の支援内容も一度確認してみてください。
>>日高印刷所のホームーページで見てみる会社案内の作り方で最も大切なのは「誰に何を伝えるか」を決めること

会社案内の作り方で最初に決めるべきなのは、ページ数でもデザインでもありません。
「誰に、何を伝え、読んだあとにどう思ってほしいのか」です。
この土台が決まって初めて、掲載内容やデザインに意味が生まれます。
会社案内とは?会社概要との違いと役割
会社案内とは、自社が「どんな会社で、何をしていて、どんな価値を提供できるのか」を相手に伝えるためのツールです。
一方、会社概要は、社名・所在地・代表者・設立年・事業内容など、会社の基本情報をまとめたものを指します。
つまり、会社概要は会社案内に載せる情報の一部。
会社案内では基本情報だけでなく、
- どんな事業をしているのか
- 何を大切にしている会社なのか
- 他社と何が違うのか
- どんな実績や対応力があるのか
まで伝えることができます。
名刺だけでは説明しきれない会社の価値を、相手に分かる形にまとめたものが会社案内、と考えると分かりやすいでしょう。
営業・採用・取引先向けなど目的によって伝える内容は変わる
会社案内に載せるべき内容は、誰に渡すかによって変わります。
例えば営業先に渡すなら、相手が知りたいのは「この会社に頼むメリットは何か」「安心して仕事を任せられるか」といった情報です。
採用活動で使う場合は、仕事内容だけでなく、社内の雰囲気や働く人、会社が大切にしている考え方も重要になります。
取引先や金融機関などに渡すのであれば、会社の沿革、実績、設備、品質管理、対応体制など、信頼につながる情報を前に出した方がよい場合もあります。
同じ会社だからといって、同じ会社案内がすべての相手に最適とは限りません。
「誰が読むのか」から逆算して考えることが大切です。
「何を載せるか」の前に「なぜ作るのか」を明確にする
私は会社案内やパンフレットの相談をいただいたとき、いきなり「何ページにしますか?」「どんな写真を載せますか?」とは考えません。
まず聞きたいのは、
「そもそも、なぜこれを作りたいのですか?」
ということです。
実際、中山建材店様から最初にいただいた相談も「パンフレットを作りたい」というものでした。
ところが背景を聞いていくと、大口取引先との取引減少が見込まれ、新しい売上の柱をつくる必要があることが分かりました。
そこで、いったんパンフレットの話を止めて、売上構成や顧客層から整理することに。
すると、本当に考えるべきだったのは「パンフレットをどう作るか」ではなく、「これから誰に、何を売っていくか」でした。
何を作るかより、なぜ作るのか。
ここを整理するだけで、会社案内の役割そのものが変わることがあります。
会社案内を作る前に整理したい3つのこと

会社案内を作り始める前に、「誰に届けるか」「何を伝えるか」「どう感じてほしいか」の3つを整理しましょう。
この3点が決まれば、会社案内の原稿やデザインで迷う場面を大きく減らせます。
誰に届けるのか?読み手と利用場面を明確にする
最初に決めたいのが、会社案内を読む相手です。
「お客様」と大きくまとめるのではなく、できるだけ具体的に考えてみてください。
例えば、
- 新規営業で初めて会う企業の担当者
- 展示会で自社を初めて知った人
- 地元で工事会社を探している個人客
- 就職先を検討している学生
- 新しく取引を検討している企業
などです。
さらに、「営業担当者が商談中に説明しながら渡す」「展示会で持ち帰って読んでもらう」など、利用場面まで想像すると必要な情報が見えてきます。
ターゲットの整理については、3C分析について書いた記事も参考にしてみてください。
誰に向けた会社案内なのかが決まれば、「載せるべき情報」と「載せなくてもいい情報」の判断もしやすくなります。
何を伝えるのか?自社の強みや選ばれる理由を整理する
次に、自社について一番伝えたいことを整理します。
ここでよく出てくるのが、
「品質には自信があります」
「丁寧な対応が強みです」
「地域密着です」
といった言葉です。
もちろん、どれも大切です。
ただ、同業他社も同じことを言っていると、お客様から見た違いが分かりません。
そこで考えてほしいのが、
「実際に、お客様から何を褒められたか?」
「なぜリピートしていただいているのか?」
「自分たちでは普通だけれど、他社はあまりやっていないことはないか?」
という視点です。
自社の強みは、新しく考えて作るというより、普段の仕事の中から見つかるケースが少なくありません。
詳しい考え方は「自社の強みの見つけ方」の記事でも解説しています。
どう伝えるのか?相手に持ってほしい印象を言葉にする
伝える内容が決まったら、「読んだ人に、どんな会社だと感じてほしいのか」まで言葉にしてみましょう。
例えば、
- 親しみやすい
- 技術力が高い
- 誠実で安心できる
- スピード感がある
- 清潔感がある
などです。
エアテッククリーニング様では、最初は「ロゴを何とかしたい」という相談から始まりました。
しかし、単に形や色を変えるだけでは根本的な解決にはなりません。
そこで「どんな会社として見られたいのか」を整理し、「爽快」「清潔感」「安心感」というキーワードを明確にしてからデザインへ進みました。
デザインは、なんとなく格好良くするものではありません。
伝えたい印象を、色・写真・書体・レイアウトへ翻訳する作業です。
ブランドの言葉を整理する方法については、「ブランディングの言語化」の記事も参考にしてみてください。
会社案内に載せる内容と基本のページ構成

会社案内に載せる内容は、会社概要だけではありません。
基本項目を押さえたうえで、営業・採用・取引先など会社案内を使う目的に応じて、情報の優先順位を変えることがポイントです。
| 用途 | 前に出したい内容 |
| 営業用 | 強み、商品・サービス、実績、選ばれる理由 |
| 採用用 | 仕事内容、働く人、企業理念、職場環境 |
| 取引先向け | 事業内容、実績、品質管理、設備・対応体制 |
会社概要・事業内容・代表メッセージなどの基本項目
一般的な会社案内では、次のような項目が基本になります。
- 会社名
- 所在地・連絡先
- 代表者名
- 設立年
- 事業内容
- 沿革
- 企業理念・経営理念
- 代表メッセージ
- 商品・サービス紹介
- 実績・事例
- 設備や拠点
- アクセス情報
ただし、全部を同じ大きさで載せる必要はありません。
例えば、新規営業が目的なら、会社沿革を2ページ使うより「どんな課題を解決できる会社なのか」を大きく伝えた方が役立つでしょう。
会社案内は会社の情報を保管する資料ではなく、相手に理解してもらうための資料。
何を載せるかと同じくらい、「何を前に出すか」が重要です。
営業用の会社案内は実績・対応力・選ばれる理由を前に出す
営業用の会社案内では、相手が仕事を依頼する判断材料を優先して掲載します。
例えば、
- どんな課題に対応できるのか
- どんな商品・サービスがあるのか
- 他社との違いは何か
- これまでどんな仕事をしてきたのか
- どの地域や業種に対応できるのか
といった情報です。
単に「当社は高品質です」と書くよりも、「なぜ高品質と言えるのか」という根拠まで見せる方が伝わります。
設備、対応工程、事例、お客様への取り組みなど、日常の仕事の中に根拠がないか探してみてください。
会社案内そのものに営業をさせるくらいの気持ちで、相手が次に知りたくなる情報を順番に並べるのがコツです。
採用用の会社案内は仕事内容・働く人・会社の考え方を前に出す
採用向けの会社案内では、「何をしている会社か」だけではなく、「ここで働くとどんな毎日になるのか」をイメージできる情報が大切です。
例えば、
- 具体的な仕事内容
- 1日の仕事の流れ
- 社員紹介
- 仕事のやりがい
- 会社が大切にしている価値観
- 教育や成長の仕組み
- 職場の写真
などがあります。
求職者にとって会社選びは、自分の時間をどこで使うかを決める大きな選択です。
きれいな言葉だけを並べるより、実際の働き方や社員の姿を見せた方が会社の雰囲気は伝わります。
会社の価値観やブランドの軸が決まっていれば、採用パンフレットとホームページ、SNSで発信する内容も揃えやすくなりますよ。
取引先向けの会社案内は事業の信頼性・品質管理・対応体制を伝える
新しい取引先へ渡す会社案内では、「この会社なら安心して任せられる」と判断できる情報を意識しましょう。
事業内容はもちろん、
- 対応可能な業務範囲
- これまでの実績
- 設備や生産体制
- 品質管理の方法
- 納品までの流れ
- 問い合わせ後の対応体制
なども判断材料になります。
特にBtoBでは、担当者だけでなく、持ち帰った会社案内を上司や別部署の方が読むこともあります。
その場で説明を聞いていない人が読んでも「何ができる会社なのか」が分かるようにしておくことが大切です。
担当者の説明がなくてもある程度伝わる。
そんな会社案内を目指しましょう。
会社案内の作り方を6つの手順で解説

会社案内の作り方は、目的決め→強みの整理→構成→素材準備→デザイン→印刷の6ステップで進めるとスムーズです。
私は特にSTEP1・STEP2を丁寧に行うことが、最終的な仕上がりを左右すると考えています。
STEP1|制作目的とターゲットを決める
最初に、「なぜ会社案内を作るのか」「誰に渡すのか」を決めます。
ここを曖昧にしたまま進めると、
「営業にも使いたい」
「採用にも使いたい」
「取引先にも会社のことを知ってほしい」
と目的が増え、結果的に何を伝えたい会社案内なのか分からなくなりがちです。
先ほどご紹介した中山建材店様の事例でも、「パンフレットを作りたい」という依頼の背景を掘り下げたことで、本当の課題が見えてきました。
まずは、
「この会社案内を誰に渡し、読んだあと何をしてほしいのか?」
を1文で書いてみてください。
書けない場合は、まだ制作に入るタイミングではないかもしれません。
STEP2|自社の強みと伝えたい価値を言語化する
次は、自社の強みや選ばれる理由を言葉にします。
ここでおすすめなのが、社長だけで考えないことです。
営業担当や現場スタッフに、
「お客様から、どんなことで感謝される?」
「競合ではなく、うちに決まった理由は何だった?」
「面倒だけれど、ずっと続けている仕事はある?」
と聞いてみてください。
意外な答えが出てくることがあります。
オクトバス未栄様でも、強みを新しく作ったわけではありません。
普段の仕事を掘り下げる中で、「写真付き工事報告書を渡している」という当たり前の行動から、見えなくなる施工箇所まできちんと伝えたいという姿勢が見えてきました。
強みは、社内では当たり前になっている仕事の中に隠れていることがあります。
STEP3|掲載内容を選び、ページ構成を考える
目的と強みが整理できたら、初めて「何を載せるか」を考えます。
おすすめは、いきなりデザインソフトを開かず、まず紙や付箋にページ構成を書き出すことです。
例えば営業用の8ページ冊子なら、
- 表紙
- 私たちができること
- 選ばれる理由
- 商品・サービス
- 実績・事例
- 対応体制
- 代表メッセージ
- 会社概要・問い合わせ先
といった流れが考えられます。
大切なのは、会社が話したい順番ではなく、読み手が知りたい順番。
「まず会社の歴史を全部説明しないと」と考えなくても大丈夫です。
伝えたいことを足すだけでなく、優先順位をつけて削ることも会社案内づくりでは重要なんです。
STEP4|原稿・写真・図版などの素材を用意する
構成が決まったら、原稿や写真、図版などの素材を集めます。
必要になる素材は、
- 会社や工場、店舗の写真
- 代表者や社員の写真
- 商品、設備、施工中の写真
- 実績や事例
- ロゴデータ
- 会社概要
- サービス説明の原稿
などです。
ここで注意したいのが、「とりあえず手元にある写真で済ませる」こと。
会社案内では写真の印象が全体のイメージを大きく左右します。
例えば「技術力を伝えたい」のに、実際の作業風景が1枚もなければ説得力を出しにくくなります。
先に伝えたい内容を決めておけば、「どんな写真を撮る必要があるか」も逆算できますね。
STEP5|デザインを作成して内容を確認する
素材が揃ったら、デザインへ進みます。
デザイン段階では、見た目の好みだけで判断しないことがポイントです。
確認したいのは、
「一番伝えたいことが、一番目立っているか?」
「初めて読む人でも順番に理解できるか?」
「自社が持ってほしい印象とデザインが合っているか?」
という3点。
私は制作物を見るとき、「格好いいか」以上に「ちゃんと伝わるか」を気にします。
できれば社内だけで確認せず、自社のことを詳しく知らない人にも一度見てもらってください。
作り手には分かるけれど、初めて見る人には分からない。
会社案内では、このズレが意外と起こります。
STEP6|印刷・製本して活用する
デザインが完成したら、印刷・製本へ進みます。
ただし、会社案内は印刷して納品されたら終わりではありません。
- 営業訪問時に渡す
- 問い合わせへの資料として送る
- 展示会で配布する
- 採用説明会で使用する
- PDF版をメールで送る
など、実際に使って初めて意味があります。
さらに、営業現場で「この説明を毎回口頭で補っている」という部分があれば、それは改善のヒントです。
次回増刷時に原稿を直したり、Webサイトと内容を揃えたりしながら育てていきましょう。
会社案内は一度作って終わる資料ではなく、会社と一緒に更新していく営業・採用ツールです。
会社案内を自分で作る方法!テンプレートやAIの活用

会社案内はPowerPointやWordなどを使って自作することもできます。
テンプレートやAIを使うと制作のハードルは下げられますが、大切なのはツールより先に「何を伝えるのか」を整理しておくことです。
PowerPoint・Word・Excelとテンプレートの使い分け
会社案内を自分で作る場合、目的によってツールを使い分けると進めやすくなります。
| ツール | 向いている使い方 |
| PowerPoint | 写真や図を使ったレイアウト、営業資料 |
| Word | 文章量の多い会社案内、簡易的な冊子 |
| Excel | 会社情報や掲載内容の整理、表中心の資料 |
| テンプレート | レイアウトを一から考えずに作りたい場合 |
会社案内の作り方としてPowerPointやテンプレートを探す方も多いと思いますが、最初にテンプレートへ文章を流し込む方法には注意が必要です。
枠があると、つい「空いているから何か入れよう」と考えてしまいます。
まず目的と構成を決め、そのあとで目的に合うテンプレートを選ぶ。
この順番がおすすめです。
AIを壁打ち相手にして自社の考えや強みを整理する方法
生成AIは、会社案内の文章を丸ごと作らせるより、「考えを整理する壁打ち相手」として使うと便利です。
例えば、
「会社案内を作りたいので、目的を整理するための質問を1つずつしてください」
「お客様から言われた言葉を渡すので、共通する評価ポイントを整理してください」
「次の強み候補の中で、抽象的なものを指摘してください」
といった使い方です。
AIは、きれいでそれらしい文章を作るのは得意です。
ただし、自社で本当に行っている仕事や、お客様が実際に評価していることまでは、何も伝えなければ分かりません。
AIに答えを作ってもらうというより、自分たちの中にある答えを整理する相手として使ってみてください。
伝わる会社案内パンフレットにするデザイン・印刷仕様のコツ

伝わる会社案内パンフレットにするには、見た目を整えるだけでなく「どんな印象を持ってほしいか」と「何から読んでほしいか」をデザインへ反映することが大切です。
印刷仕様も用途から逆算して決めましょう。
伝えたい印象に合わせて色・書体・写真を選ぶ
デザインを考えるときは、好きな色から選ぶのではなく、相手に持ってほしい印象から考えます。
例えば、「親しみやすさ」と「重厚感」では、選ぶ色や書体、写真の雰囲気は変わります。
エアテッククリーニング様の事例でも、いきなりロゴの形を考えるのではなく、「爽快」「清潔感」「安心感」という言葉を先に整理しました。
言葉が決まれば、
「この写真は清潔感があるか?」
「この色は爽快な印象につながるか?」
と判断できるようになります。
感覚だけで「こっちの方が格好いい」と選ぶのではなく、最初に決めた言葉へ立ち戻る。
それがデザインをブレさせないコツです。
ブランドコンセプトを整理する方法は、「ブランドコンセプトの作り方」でも詳しく解説しています。
読み手に伝わる情報の優先順位とレイアウトを考える
会社案内では、全部を目立たせようとすると、かえって何も目立たなくなります。
例えば、
「創業年数も伝えたい」
「設備も見せたい」
「商品も全部載せたい」
「社長の想いも大切」
となる気持ちはよく分かります。
経営者の方ほど、自社への想いがありますからね。
ただ、読み手が一度に受け取れる情報には限りがあります。
まず一番伝えたいことを決め、それを大きく見せる。
補足する情報は次の階層へ下げる。
この「情報の強弱」をつけるだけでも、会社案内はかなり読みやすくなります。
会社案内は、情報を増やすことより、順番をつけることが大切です。
二つ折り・三つ折り・冊子から用途に合う形を選ぶ
会社案内の形は、掲載する情報量と使用場面に合わせて選びます。
例えば、事業内容を簡潔に紹介したいなら二つ折りや三つ折りのパンフレットでも十分です。
一方、
- 複数の事業を紹介したい
- 実績や事例を詳しく見せたい
- 代表メッセージを掲載したい
- 採用でも活用したい
といった場合は、冊子タイプの方が整理しやすくなります。
先に「立派な冊子を作りたい」と形から決める必要はありません。
伝えるべき情報を整理した結果、「4ページで足りる」「8ページ必要」と仕様が決まるのが自然な順番です。
紙だけですべてを説明せず、詳しい情報をWebや動画へつなぐ方法もあります。
用紙・ページ数・印刷部数を目的に合わせて決める
用紙やページ数、印刷部数も、会社案内の使い方に合わせて決めます。
例えば、高級感や信頼感を重視したい会社案内と、大量に配布する営業用パンフレットでは、適した仕様が同じとは限りません。
印刷部数を決める際には、
「1年間で何部使う予定か」
「情報がどのくらいの頻度で変わるか」
も考えてみてください。
事業内容や採用条件などが頻繁に変わる場合、大量に印刷すると古い情報が残ってしまいます。
会社案内単体で考えるのではなく、PDF、ホームページ、SNSなど他の発信手段との役割分担まで考えると無駄を減らしやすくなります。
会社案内を制作するときの注意点と費用の考え方

会社案内を制作するときは、情報量・内容の正確性・制作範囲の3点に注意しましょう。
費用だけを基準にするのではなく、「どこまで自社でできて、どこから外部に任せるのか」を整理することが重要です。
情報を詰め込みすぎず、読み手に必要な内容を優先する
会社案内でよくある失敗が、「せっかく作るなら全部載せよう」と情報を詰め込みすぎることです。
会社の歴史、設備、商品、サービス、資格、社長の想い、社員紹介……。
どれも大切だからこそ、削るのは難しいですよね。
ただ、全部を同じ熱量で伝えると、読み手には「結局、何が一番すごい会社なの?」と映ってしまうことがあります。
迷ったときは、
「この情報は、今回の会社案内を読む相手が本当に知りたいことか?」
と考えてみてください。
伝えるとは、情報を足す作業だけではありません。
あえて削り、一番大切な価値を見えやすくすることも、会社案内づくりの大事な仕事です。
会社情報・実績・写真の掲載内容を確認する
印刷前には、会社情報や実績、写真などの内容を必ず確認しましょう。
特に確認したいのは、
- 住所・電話番号
- 代表者名
- 設立年などの会社情報
- 商品・サービス名
- 実績や取引先の掲載可否
- 人物写真の掲載可否
- 古くなった設備やサービス情報
などです。
一度印刷すると、Webサイトのようにその場ですぐ書き換えることはできません。
担当者だけでチェックせず、会社情報を把握している人や現場担当者にも確認してもらうと安心です。
「デザインは完璧だったのに電話番号が違った」では笑えません。
最後は見た目より、中身の確認を丁寧に行いましょう。
制作費はページ数・デザイン・印刷仕様で変わる
会社案内の制作費は、単純に「パンフレット1冊いくら」と決まるものではありません。
主に、
- 企画、ヒアリング
- 原稿作成
- デザイン
- 写真撮影
- イラストや図版制作
- ページ数
- 用紙
- 加工、製本
- 印刷部数
などによって変わります。
そのため、見積もりを見るときは総額だけではなく、「どこまで含まれているか」を確認することが大切です。
特に、制作前の企画やヒアリングが含まれているかどうかで、支援内容は大きく変わります。
言われた内容をそのまま形にするのか。
そもそも何を伝えるべきかから一緒に考えるのか。
同じ「会社案内制作」でも、中身は同じではありません。
自作と制作会社への依頼はどちらが向いている?
掲載する情報や構成がすでに決まっていて、社内でデザインできる人がいるなら、自作も1つの選択肢です。
一方、
「何を載せればいいか分からない」
「自社の強みがうまく言えない」
「社長の頭にはあるけれど、社員に説明できていない」
「営業・採用・Webも含めて伝え方を揃えたい」
という場合は、第三者と一緒に整理した方が進めやすいでしょう。
実は会社案内づくりで難しいのは、PowerPointの操作より、自社を客観的に見ることだったりします。
自分の会社は毎日見ているからこそ、当たり前になっている価値には気づきにくいものです。
中小企業でブランディングを進める考え方についてはこちらの記事で解説しています。
制作前の対話から見えてきた「伝えるべき価値」の実例

ここからは、実際の対話から「本当に考えるべきこと」や「伝えるべき強み」が見えてきた3つの事例をご紹介します。
共通しているのは、最初から答えが用意されていたわけではないことです。
中山建材店様|パンフレット制作の相談から本当の経営課題を整理
中山建材店様からの最初の相談は、「パンフレットを作りたい」というものでした。
普通なら、サイズやページ数、掲載内容の話へ進むところです。
しかし私は、
「そもそも、なぜパンフレットを作りたいのですか?」
と伺いました。
話を聞くと、大口取引先との取引減少が見込まれ、新しい売上をつくる必要があることが分かりました。
そこでパンフレット制作の話をいったん止め、売上構成や顧客層から整理しました。
すると、個人のお客様からも相応の売上があることが見えてきたのです。
さらに、
「個人のお客様から、普段どんな問い合わせがありますか?」
と掘り下げると、草むしり、不要品の片付け、ペット向けの小さな工事など、さまざまなニーズが出てきました。
そこから、いきなり高額なリフォームを提案するのではなく、小さな仕事を入口となる「ドアノック商品」にして、個人のお客様との接点をつくるBtoC施策へと話が広がりました。
この事例でお伝えしたいのは、パンフレットのデザインではありません。
「何を作るか」の前に「なぜ作るのか」を聞いたことで、本当に取り組むべき課題が見えてきたということです。
会社案内も同じです。
制作物は目的ではなく、経営課題を解決するための手段。
私は、ここを間違えないようにしたいと思っています。
エアテッククリーニング様|「爽快・清潔感・安心感」という伝えたい印象を明確に
エアテッククリーニング様からいただいた最初の相談は、「ロゴを何とかしたい」というものでした。
既存のロゴについて、
「自分たちの会社のイメージと違う」
「エアコンクリーニング会社に見えない」
という違和感があったのです。
しかし、ここで単に「では新しいロゴを作りましょう」と進めると、また同じことが起こるかもしれません。
そこで、
「どんな会社として見られたいですか?」
「お客様に、どんな印象を持ってほしいですか?」
と整理していきました。
その対話から出てきたのが、
「爽快」
「清潔感」
「安心感」
という3つのキーワードでした。
伝えたい印象を先に言葉にしたことで、デザインを判断する基準ができます。
これは会社案内でもまったく同じです。
先にデザインを決めるのではなく、まず「どう伝わりたいのか」を決める。
私は、デザインとは言葉になった価値を目に見える形へ翻訳する作業だと考えています。
オクトバス未栄様|当たり前の仕事から「見える安心」という強みを発見
塗装・防水業のオクトバス未栄様も、最初から明確な強みが言葉になっていたわけではありません。
そこで、普段どんな仕事をしているのかを一つひとつ聞いていきました。
すると、施工前・施工中・施工後の写真を撮り、「写真付き工事報告書」としてお客様へ渡していることが分かりました。
ご本人たちにとっては、特別なことではなかったと思います。
でも私は気になりました。
「なぜ、そこまで写真を撮るんですか?」
さらに聞いていくと、
「工事が終わると見えなくなる部分まで、きちんと施工していることを知ってもらいたい」
「工事後も安心して暮らしてほしい」
という思いが見えてきました。
そこから生まれた言葉が、
「見える安心、約束できる品質。」
です。
強みは、会議室で「何かいい強みはないかな」と考えて生み出すものばかりではありません。
社長や社員が「こんなの普通ですよ」と思っている毎日の仕事に、選ばれる理由が隠れていることがあります。
だから私は、会社案内を作る前に、普段の仕事を聞くことを大切にしています。
まとめ|会社案内はデザインの前に「誰に何を伝えるか」を整理しよう

会社案内の作り方というと、掲載内容やテンプレート、ページ数、デザインから考えたくなります。
もちろん、それらも大切です。
ただ、順番があります。
最初に考えたいのは、
- なぜ会社案内を作るのか
- 誰に読んでもらうのか
- 自社の何を一番伝えるのか
- 読んだ人に、どんな会社だと思ってほしいのか
ということです。
ここが決まれば、必要な掲載内容も、会社案内パンフレットのデザインも見えてきます。
逆に、ここが曖昧なまま作り始めると、どれだけきれいに仕上げても「結局、何の会社なのか分からない」ということになりかねません。
そして、自社の強みがまだ見つかっていなくても心配する必要はありません。
強みは、最初から格好いい言葉になって用意されているわけではないからです。
お客様からよく言われること
社員が当たり前に続けていること
面倒でも、なぜかずっと守ってきたこと
そうした日常の仕事を一つひとつ掘り下げていくと、その会社ならではの価値が見えてきます。
私たち日高印刷所は、会社案内を「言われた内容をきれいに印刷するだけのもの」とは考えていません。
まず経営者の頭の中にある想いや課題を一緒に整理する。
そこから強みや伝えたい価値を言葉にする。
そして、その言葉を会社案内・チラシ・Web・SNSなど、お客様に伝わる形へ落とし込んでいく。
そこまでが私たちの仕事だと考えています。
「会社案内を作りたいけれど、何を載せるかまだ決まっていない」
そんな段階でも構いません。
むしろ最初に、
「そもそも、なぜ会社案内を作りたいのか?」
そこから一緒に考えてみませんか。
自分たちでは当たり前だと思っていた仕事の中に、まだ言葉になっていない「選ばれる理由」が隠れているかもしれません。
会社の方向性や強みを整理し、会社案内をはじめとした「伝わる形」へ落とし込みたい方は、日高印刷所のブランドマネージメント事業へご相談ください。





